解忧杂货店 东野圭吾
在僻静街道旁的一家杂货店,只要写下烦恼投进店前门卷帘门的投信口,第二天就会在店后的牛奶箱里得到回答:因男友身患绝症,年轻女孩月兔在爱情与梦想间徘徊;松冈克郎为了音乐梦想离家漂泊,却在现实中寸步难行;……他们将困惑写成信投进杂货店,奇妙的事情随即不断发生。
埃を払い、改めて表紙を見た。タレントだろうか。若い女性が笑顔で写っている。どこかで見たことがあると思い、じっと眺めているうちに気が付いた。母親役などで、よくドラマに出ている女優だ。現在の年齢は六十代半ばというところか。
他拍了拍灰尘,再度看着封面。封面上有一个面带笑容的年轻女人。是艺人吗?好像有点眼熟,他看了半天,终于想起是经常在连续剧中演妈妈的女演员,现在差不多六十多岁。
週刊誌を裏返し、発行時期を確認した。今から約四十年前の日付が印刷されていた。そのことを言うと、二人とも目を丸くした。
他把周刊杂志翻到背面,确认了发行日期,上面印了大约四十年前的日期。他告诉其他两个人时,他们都瞪大了眼睛。
「すげえなあ。その頃って、どんなことが起きてたんだろ」翔太が訊く。
「太猛了,不知道那时候发生了甚么事。」翔太问。
敦也はページをめくった。体裁は今の週刊誌とほとんど変わらない。
敦也打开杂志,版面设计和目前的周刊杂志没有太大的差别。
「トイレットペーパーや洗剤の買い占めでスーパーが大混乱....か。なんかこれ、聞いたことがあるな」
「民众涌入超市抢购卫生纸和洗碗精,造成一片混乱……我好像有听说过。」
「あ、それ知ってる」幸平が言った。「オイルショックって奴だ」
「我知道,」幸平说,「就是那个石油危机啦。」
敦也は目次をさっと眺め、最後にグラビアページを見てから週刊誌を閉じた。アイドルやヌードの写真はなかった。
敦也迅速浏览了目录,最后看了彩页,阖上了杂志。没有偶像照片和裸照。
「この家、いつ頃まで人が住んでたんだろうな」週刊誌を仏壇の引き出しに戻し、敦也は室内を見回した。「店には少し商品が残っているし、冷蔵庫や洗濯機も残っている。慌てて引っ越したって感じだな」
「这里的住户不知道甚么时候搬走的,」敦也把周刊杂志放回神桌的抽屉,环顾室内,「店里还留下一点商品,冰箱和洗衣机也没有搬走,感觉好像是匆忙搬家。」
「夜逃げだな。間違いない」翔太が断定した。「客が来なくて、借金だけが膨らんだ。で、ある夜荷物をまとめてとんずら。まっ、そんなところだろ」
「应该是跑路,八成错不了。」翔太断言,「因为没有客人上门,所以债台高筑,最后在某天晚上收拾行李连夜遁逃。我猜就是这样。」
「かもな」
「可能吧。」
「腹減ったなぁ」幸平が情けない声を出した。「この近くコンビニないかな」
「肚子好饿喔,」幸平没出息地说,「这附近不知道有没有便利商店。」
「あったとしても、行かせないからな」敦也は幸平を睨んだ。「朝までは、ここでじっとしているんだ。眠れば、あっという間だ」
「即使有,也不会让你去,」敦也瞪着幸平,「在天亮之前,都要留在这里。只要睡着的话,很快就天亮了。」
幸平は首をすくめ、膝を抱えた。「腹が減ると、俺、眠れないんだよなあ」
幸平缩起脖子,抱着膝盖,「我肚子饿的时候睡不着。」
「それに、この埃だらけの畳じゃ、横にも慣れないぜ」翔太がいう。「せめて何か敷くものがあればなあ。」
「这里的榻榻米上都是灰尘,根本没办法躺下来,」翔太说,「至少该拿甚么东西垫一下。」
「ちょっと待ってろ」そう言って敦也は腰を上げた。懐中電灯を手にし、表の店に出た。商品棚を照らしながら店内を移動した。ビニールシートのようなものがあれば、と思ったのだ。
「等一下。」敦也说完,站了起来。他拿着手电筒,走去前方的店面。 他照着货架,在店里走来走去,希望能够找到塑料布之类的东西。
筒状に丸めに障子紙があった。これを広げれば何とかなるかもしれない。そう思って手を伸ばしかけた時だった。背後で、かすかな物音がした。
有卷成筒状的纸,那是用来糊纸门的纸。只要把纸摊开,可以躺在上面。他正想伸手拿纸卷,背后传来隐约的动静。
ぎくりとして振り返った。何か白いものが、シャッターの手前に置かれた段ボール箱に落ちるのが見えた。懐中電灯で箱の中を照らす。どうやら封筒のようだ。
敦也吓了一跳,回头一看,发现有甚么白色的东西掉在铁卷门前的纸箱内。他用手电筒照了纸箱内,发现是一封信。
一瞬にして、全身の血が騒いだ。誰かが郵便口から投入したのだ。こんな時間に、こんな廃屋に郵便が届くわけがない。つまり、この家の中に敦也たちがいることに気づいた何者かが、彼等に何かを知らせてきたということになる。
他全身的血液沸腾起来,有人把信从邮件投递口投进来。三更半夜,邮差不可能来这种废弃屋送信。也就是说,一定是有人发现敦也他们在这栋房子里,所以来向他们通风报信。
敦也は深呼吸をし、郵便投入口の蓋を開いて表の様子を窺った。もしやパトカーに取り囲まれているのではないかと思ったが、予想に反して外は真っ暗だった。人の気配もない。
敦也深呼吸后,打开邮件投递口的盖子,观察外面的情况。他以为外面可能停满了警车,没想到一片漆黑,完全没有任何动静。
少しほっとして、封筒を拾い上げた。表には何も書かれていない。裏返すと、丸い文字で「月のウサギ」と書いてあった。それを持って和室に戻った。二人に見せると、どちらも気味悪そうな顔をした。「何だよ、それ。前からあったんじゃないのか」翔太が言った。
他稍稍松了一口气,捡起那封信。信封上没有写任何字,他翻过来一看,发现用圆润的笔迹写着「月亮兔」几个字。他拿着信走回和室,给另外两个人看,他们都露出害怕的表情。「这是怎么回事?会不会之前就留在那里的?」翔太问。
「今、投げ込まれたんだ。この目で見たんだから間違いない。それに、この封筒を見てみろよ。新しいだろ。前からあったものなら、もっと埃だらけのはずだ」
「我亲眼看到刚才丢进来的,绝对不会错,而且,你看这个信封,不是还很新吗?如果之前就有的话应该没有这么多灰尘。
幸平が大きな身体を縮こまらせた。「警察かな….」
幸平把高大的身体缩成一团,「会不会是警察……?」
「俺もそう思ったけど、たぶん違う。警察なら、こんなまどろっこしいことはしない」
「我原本也以为是警察,但应该不是,如果是警察,不会做这种蠢事。」
そうだよな、と翔太が呟いた。「警察が、「月のウサギ」とは名乗らないよな」
「对啊,」翔太嘀咕,「警察怎么会自称是『月亮兔』。」
「じゃあ、誰なんだよう」幸平が不安そうに黒目を動かした。
「那是谁?」幸平不安地转动着眼珠子。
敦也は封筒を見つめた。持った感じでは、中身はかなり分厚い。手紙だとすれば、長文のようだ。投入者は、いったい何かを彼らに伝えようとしているのか。
敦也注视着信封,拿在手上时,感觉份量很重。如果是信,应该是一封长信。送信的人到底想告他们什么?
「いや、違うな」彼は呟いた。「これは俺たち宛ての手紙じゃないぞ」
「不,不对,」他嘀咕道,「这不是给我们的信。」
どうして、と尋ねるように二人が同時に敦也を見た。
「考えてみろよ。俺たちがこの家に入ってから、どれだけの時間が経った?ちょっとしたメモならともなく、これだけの手紙を書くとなれば、少なくても三十分やそこらは必要だ」
另外两个人同时看着敦也,似乎在问:「为甚么?」你们想一想,我们走进这个家才多久?如果只是在便条纸上写几行字也就罢了,要写这么长一封信,至少也要三十多分钟。」
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