【日语共读】《解忧杂货店》共读连载 (116)

【日语共读】《解忧杂货店》共读连载 (116)

日语之声 日韩女星 2018-01-23 20:33:36 685


ナミヤ雑貨店の奇蹟


东野圭吾

在僻静街道旁的一家杂货店,只要写下烦恼投进店前门卷帘门的投信口,第二天就会在店后的牛奶箱里得到回答:因男友身患绝症,年轻女孩月兔在爱情与梦想间徘徊;松冈克郎为了音乐梦想离家漂泊,却在现实中寸步难行;……他们将困惑写成信投进杂货店,奇妙的事情随即不断发生。





貞幸は、夜八時を少し回った頃に帰ってきた。最近では、こんなに遅くなったことはなかった。

贞幸在晚上八点多回到家里,最近他很少这么晚回家。

 

「会社で最後の仕上げをしてきた。なるべく、騒ぎが大きくなるのは遅くしたいからな」ネクタイを緩めながら貞幸はいった。ワイシャツは汗で濡れ、肌に張り付いていた。

「我在公司做最后的处理工作,尽可能拖延事迹败露的时间。」贞幸松开领带时说,汗水湿了他的衬衫,都黏在皮肤上。

 

それから遅い夕食となった。その家で食べる最後の食事は、昨日の残りのカレーだった。冷蔵庫の中は、すでに空っぽになっている。

他们一起吃了晚餐。在这个家里吃的最后一顿晚餐是昨天剩下的咖哩,冰箱里已经空了。

 

食事をしながら、貞幸と紀美子が荷物についてぼそぼそと話し始めた。貴重品と衣類、すぐに必要になる雑貨、浩介の勉強道具、持っていくのは基本的にそれらだけで、ほかのものはすべて置いていく——すでに何度も交わされたことを、最後にもう一度確認しているだけだ。

吃饭时,贞幸和纪美子小声地讨论着行李的事。贵重物品、衣物和立刻需要用到的杂物、浩介的读书用品,基本上只带这些东西离开,其他东西都留在这里──他们最后一次确认已经讨论多次的内容。

 

途中、紀美子が浩介のレコードの話をした。

中途,纪美子提起浩介卖掉唱片的事。

 

「売った?あれを全部か。どうして?」貞幸は心底驚いている様子だった。

「卖了?全都卖了?为甚么?」贞幸发自内心地感到惊讶。

 

何となく、と浩介は俯いたままで答えた。「どうせ、ステレオはないし」

「没有特别的原因,」浩介低着头回答,「反正家里已经没有唱机了。」

 

「そうか。売ったのか。うん、それはいい。助かる。あれだけでもかなり嵩張るからな」貞幸はそういった後、「で、いくらで売ったんだ」と訊いてきた。

「是吗?原来卖掉了,嗯,这样很好,帮了大忙了,不然很占地方。」贞幸说完后又问:「卖了多少钱?」

 

浩介がすぐに答えないでいると、「一万円だって」と紀美子が代わりにいった。

浩介没有回答,纪美子代替他回答说:「一万圆。」

 

「一万円?たったの?」途端に貞幸の口調が変わった。「馬鹿か、おまえ。何枚あったんだ。LPだって、かなりあっただろ。あれを全部揃えようとしたら、一体いくらかかる?二万や三万じゃ無理だろ。それを一万円って……何考えてんだ」

「一万圆?才一万圆而已?」贞幸的语气顿时变了,「你是傻瓜吗?总共有几张?我记得有不少黑胶唱片吧。买齐这些唱片,要花多少钱?两、三万绝对买不到吧?你居然只卖一万……你在想甚么啊?」

 

「別に儲けようとか思ってなかったから」浩介は、下を向いたままで答えた。「それに殆どは哲雄にいちゃんから貰ったものだし」

「我不是想靠那些唱片来赚钱,」浩介仍然低着头回答,「而且,大部份都是哲雄哥留下来的。」

 

貞幸が大きな音をたてて舌打ちした。

贞幸用力咂着嘴。

 

「何、甘いことをいってるんだ。人から金を取れる時は十円でも二十円でも多く取らないとだめだ。もう今までみたいな生活はできないんだからな。わかってるのか」

「真是食米不知米价,向别人拿钱的时候,多拿十圆、二十圆也好。我们无法再过以前那种生活了,你懂不懂啊?」

 

浩介は顔を上げた。誰のせいでそうなったんだよ、といいたい気分だった。

浩介抬起头,很想反问父亲,到底是谁搞成这样的?

 

しかし貞幸は息子の表情を見てどう解釈したのか、「わかったな」と念を押してきた。

不知道贞幸如何解释儿子的表情,他又叮咛了一句:「听到了没有?」

 

浩介は頷かず、カレーを食べていたスプーンを置いた。ごちそうさま、といって立ち上がった。

浩介没有点头,放下原本准备吃咖哩的汤匙。「我吃饱了。」说完,他就站了起来。

 

「おい、どうなんだ」

「喂,到底听到了没有?」

 

「うるさいな。わかったよ」

「烦死了,听到了啦。」

 

「何?親に向かって、その口の利き方は何だっ」

「甚么?你怎么对大人说话的?」

 

「あなた、もういいじゃない」紀美子がいった。

「老公,算了啦。」纪美子说。

 

「よくない。おい、その金はどこへやった」貞幸がいった。「その一万円は?」

「怎么可以算了?喂,那钱呢?」贞幸问:「那一万圆呢?」

 

浩介は父親を見下ろした。貞幸はこめかみに血管を浮き上がらせていた。

浩介低头看着父亲,贞幸的太阳穴冒着青筋。

 

「誰の金でレコードを買った?小遣いで買ったんだろ?じゃあその小遣いは誰が稼いできた金だ?」

「也不想想是用谁的钱买的唱片?你是用零用钱买的吧?是谁赚钱给你零用钱的?」

「あなた、やめなさいよ。息子から金を取ろうっていうの?」

「老公,别这样,你要向儿子拿钱吗?」

 

「そもそも誰の金なのかわかってるのかっていってるんだ」

「我要让他知道,那些钱是谁赚的。」

 

「もういいでしょ。浩介、自分の部屋に行って、出発の準備をしなさい」

「别说了,浩介,赶快去自己的房间收拾一下,等一下就要出发了。」

 

紀美子にいわれ、浩介は居間を出た。階段を上がり、自分の部屋に入ると、ベッドに横になった。壁に貼ってあるビートルズのポスターが目に入った。上半身を起こすと、ポスターをむしり取り、両手で引き裂いた。

浩介听了纪美子的话,走出客厅,走上楼梯,一回到自己的房间,就倒在床上。他看到墙上贴的披头四海报,坐了起来,把海报撕下来后,用双手撕烂了。



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