現地時間10日に開催された、カヌースラローム競技でやや異色の選手がいた。たくさんの選手がいても、いつもひと目で彼だとわかる。それは彼が僧侶だからだ。彼の名は、矢沢一輝選手。スラローム男子カヤックシングルの日本代表選手だ。今回のリオ五輪では残念ながら決勝進出は適わなかったが、彼の人気はこの日優勝した選手にも引けを取らない。
矢沢選手は彼の3つの夢について語ってくれた。オリンピックへの参加、僧侶としての修行、家庭を築き自分の子供にもスポーツをさせること(日本の僧侶は、結婚して子供を持つことを許されている)だ。
なぜ僧侶とアスリートという二足のわらじを履いているのか?その理由は4年前に遡ぼる。ロンドンオリンピックで輝かしい成績を残し、世間から注目を集めたものの、十分な活動費を援助するスポンサーが見つからず、フルタイムの仕事を探し始めた頃、偶然出会ったのが彼の住む長野県のカヌー協会会長で善光寺寿量院の住職だった。矢沢選手はこの住職に誘われ仏門に入ったのだという。
2013年、矢沢選手は再び競技に戻ることを決意。その後2015年国民体育大会での優勝が矢沢選手に3度目のオリンピック出場を目指す自信を付けた。そしてこの自信と、善光寺からの資金援助もあり、最終的にリオ五輪への切符を手にした。
日本にいるときは僧侶として、日の出前には起床し修行をする日々を送っている。修行が終わる午後3時から、矢沢選手はTシャツと短パンに着替え近くの犀川(さいがわ)でトレーニングを行う。
リオ入り後は、時間通りの修行はできないものの、必ず時間を作り修行をしているのだという。また、自分が僧侶であることを忘れないように、頭は常に坊主にしている。
27歳の矢沢選手は今回ですでに3回目のオリンピックに出場。北京五輪では18位、その4年後のロンドンでは9位とアジア勢としては非常に輝かしい成績を残している。
矢沢選手は「成績はそこまで重要ではない。重要なのはどれだけ今回のオリンピックに果敢に挑み、試合の全過程を楽しむかだ」と話している。
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