この2~3年、ヒット作が出ずに苦しんでいるフジテレビ「月9」が、徐々に勢いを取り戻している背景をレポートします。
我们对近两三年,因没有热播剧而一蹶不振的富士电视台“月9”档最近逐渐恢复势头的背景进行分析报道。
●「SUITS」で視聴率 3週連続10%台キープ
●《SUITS》连续三周保持10%以上的收视率
一時はテレビ凋落の象徴として扱われたフジテレビ月曜21時から放送されるドラマ枠、通称「月9」。それが今、息を吹き返している。
富士电视台周一21点开始播放的电视剧通称为“月9”,月9收视低迷曾被视为电视衰落的象征。如今又有了复苏迹象。
今期放送されている「SUITS」(織田祐二、中島裕翔主演)の視聴率(ビデオリサーチ調べ〈番組平均世帯視聴率、関東地区、リアルタイム〉以下同)は第1話14.2%、第2話11.1%と推移し、10月22日放送の第3話が10.3%を記録。3週連続で10%以上をキープし、好調と言われていた前期の同枠「絶対零度・未然犯罪潜入捜査」(沢村一樹氏主演)の第3話までの平均視聴率を1.5ポイント上回っているのだ。
秋季播放的《SUITS》(由织田裕二、中岛裕翔主演)的收视率(数据来自于Video Research调查〈节目平均收视率、关东地区收视率、实时收视率〉)第1话为14.2%,第2话为11.1%,10月22日播放的第3话为10.3%,连续三周保持10%以上的收视率,比上一季被认为表现不错的《绝对零度~未然犯罪潜入搜查~》(泽村一树主演)前3话的平均收视率还高1.5个百分点。
月9といえば、「HERO」(2001年1月放送、木村拓哉主演)や「ガリレオ」(07年10月放送、福山雅治主演)などの大ヒットドラマが生まれたフジテレビの看板ドラマ枠。「HERO」は平均視聴率34.2%を記録するなど、多くの話題を振りまいた。
说起月9,是诞生了《律政英雄》(2001年1月播出,木村拓哉主演)和《神探伽利略》(2007年10月播出,福山雅治主演)等热播日剧的一块黄金招牌。《律政英雄》的平均收视率34.2%创下了历史记录,话题不断。
しかし、この2~3年は月9が話題になるといえば、その低迷ぶりばかり。16年1月に放送された「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で平均視聴率が10%を切ると、17年4月に放送された「貴族探偵」まで6期連続で平均視聴率は10%以下。17年10月からの「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」では、物語が盛り上がるはずの最終回に過去最低の視聴率4.6%を記録してしまった。
然而近两三年间,月9收视低迷的状态不断成为话题。从16年1月播放的《追忆潸然》的平均收视率低于10%开始,到17年4月播放的《贵族侦探》,连续6季的平均收视率都在10%以下。而17年10月开播的《大众之敌》,最终一集明明是故事的高潮,却创下了历史最低收视率4.6%。
低迷の理由を探せば、枚挙にいとまがない。脚本や演出、出演者、ストーリー展開の良しあしについて、テレビ業界や広告代理店業界内では様々な議論があるが、誰もが共通してあげるのが、テレビドラマが可処分時間の奪い合い競争に負けたということだ。
要探究其低迷的原因,有太多方面要讨论。编剧、导演、演员、故事情节展开的好坏,在电视行业和广告代理公司界已经展开过各式各样的讨论,但是大家共同提出的一点是,电视剧在争夺可分配时间的竞争中输了。
1人1台スマートフォンを持つようになったことで、わざわざ毎週決まった時間にテレビの前に座り視聴するという生活パターン自体が、人々の生活に合わなくなっていったことも大きな要因だろう。
现在人手一台智能手机,每周特意在特定的时间坐在电视机前收看电视的生活模式,已经不符合当代人的生活状态,这是其中一个重要的因素。
● 見えはじめた配信と 地上波の相互送客
● 刚起步的网络播放和电视之间的良性影响
ではこの秋になって、何が月9の復活を後押しするようになったのか。これも要因を一つに絞ることは難しいが、テレビ業界内で指摘されているのが、見逃してしまった番組をネット配信するプラットフォームが整備され、本格的に立ち上がってきたことだ。
那么,今年秋天究竟发生了什么,促使月9复苏?这很难归结为一个原因,但电视行业内指出,能实施重播的网络播放平台已经就位,正式登上了舞台。
フジでは「FOD」(フジテレビオンデマンド)が立ち上がっており、地上波放送直後から、期間限定ながら無料で見逃し配信をしている。有料会員(月額888円〈税別〉)となれば、FODのコンテンツは見放題になり、無料での見逃し配信期間が終わってしまったコンテンツも視聴することができる。有料会員は現在80万人まで伸び、他局に先駆けて、プラットフォーム事業単独での黒字化を達成している。
富士台的“FOD”(富士电视台on-demand,手机app)建立,电视播放后,可以在网上免费看期间限定的重播。如果成为付费会员(每月888日元(不含税)),FOD中的内容就可以随便看,过了免费重播的时限也能继续收看。FOD的付费会员现在有80万人,领先于其他电视台,这个平台已经可以单独达成盈利。
これによって、スマホでドラマを観ることが徐々に浸透し始めているようだ。実際、最近の傾向として地上波放送後、回を追うごとにFODを訪れる視聴者が増えていき、再生回数が伸びていくという。と同時に、地上波放送の視聴率も極端な落ち込みが見られなくなった。
由此可以看出,用手机看剧的习惯已经开始慢慢渗透。实际上,最近有个倾向,电视剧在电视上播放后,为追剧访问FOD的观众就会增加,网络播放量也会增加。同时,电视剧收视率也没有极端的下降。
FODなどの事業を統括するフジテレビジョンの山口真コンテンツ事業局長は、好調の要因について、「作品自体の力がある」と前置きしつつ、次のように話す。
负责FOD业务,富士电视台的媒体情报事业局长山口真,针对这一好成绩的原因,首先提出“这是作品本身的力量”,并说:
「因果関係は明確にはわかりませんが、FODでの見逃し配信の再生数と視聴率の推移を見ていると、FODで見逃し配信を視聴して、翌週に地上波での放送に戻っていただくという視聴者が相当数いそうです。相互送客が出来始めているように見えます」
“因果关系虽然还不是很明确,但是根据FOD上的播放量和收视率的推移看,在FOD上看过重播视频后,第二周选择在电视上收看的观众还是相当多的。可以看出两者互相产生良性影响。”
この変化を感じ取っているのはFODだけではない。民放5局が中心となって立ち上げられ、各局のドラマなどの期間限定の見逃し配信を行う配信プラットフォーム「TVer」でも、FODと同様の相互送客の兆候が見られるという。
不仅是FOD感受到这种变化,以五大电视台为中心成立的,可以期间限定观看各电视台电视剧的平台“TVer”,和FOD同样看到两者互相产生良性影响的征兆。
TBSの大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(逃げ恥)では、当時のTVerでの再生回数で過去最高を記録。視聴率は初回10.2%から右肩上がりに推移し、最終回は20.8%に達した。そして同じく前クールのTBSドラマ「義母と娘のブルース」では、逃げ恥の再生回数記録を塗り替え、地上波の平均視聴率は19.2%と絶好調だった。
TBS电视台的热播剧《逃避虽可耻但有用》(逃跑可耻),当时在TVer上的观看次数创下了历史新高。收视率从第一回的10.2%开始不断上涨,最终回达到了20.8%。同样,前不久同时间段的TBS电视剧《继母与女儿的蓝调》,刷新了《逃跑可耻》的重播纪录,平均收视率达到19.2%,状态绝佳。
「TVerやFODが立ち上がったことで、視聴者がドラマに接するタッチポイントが増えた」(山口真コンテンツ事業局長)ことで、地上波放送のみの時代であれば逃していた視聴者を、配信プラットフォームが確実に拾っていると言えそうだ。
”因为TVer和FOD的诞生,观众能更多接触到电视剧。“(媒体情报事业局长山口真)可以说网络播放平台重新找回了那些不再看电视的观众。
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