だろうかと気(き)をもんだのでした。 晩(ばん)に、森(もり)の方(ほう)で犬(いぬ)のなき声(ごえ)がしたり、昼間(ひるま)でも、犬(いぬ)がやかましくほえて、あたりがなんとなく騒(さわ)がしく感(かん)ぜられると、犬(いぬ)ころしが、やってきたのでないかしらん、そして、クロが、つかまったのでないかしらんと、胸(むね)がどきどきしました。勇(ゆう)ちゃんは、外(そと)へ飛(と)び出(だ)していって、クロの姿(すがた)を見(み)るまでは、安心(あんしん)されなかったのであります。 ある日(ひ)、勇(ゆう)ちゃんは、徳(とく)ちゃんが、銅製(どうせい)のメダルを持(も)っているのを見(み)ました。そのメダルは、ちょうど、畜犬票(ちくけんひょう)が、古(ふる)くなったような、大(おお)き