映画『彼らが本気で編むときは、』で、初のトランスジェンダーの女性を演じた生田斗真。昨今、アクション作品への出演が多かった生田だけに、今作は彼にとっても大きな挑戦となった。役者として着実に歩みを進める生田は、どのようにしてこの難しい役柄と向き合ったのだろうか。彼の役者としての成長も語った。
在电影《人生密密缝》中,生田斗真首次饰演了患有性同一性障碍的女性。对于近来经常出演动作片的生田来说,本作对他来说也是一次很大的挑战。在演员之路上稳步前行的生田是以怎样的决心面对这么高难度的角色的呢?本次他对自己作为演员的成长进行了讲述。
「以前のイメージがチラついたら負け」、挑戦的な作品に
“被以前的印象拽着走的话就输了”,是一部很有挑战性的作品
――映画『彼らが本気で編むときは、』で、トランスジェンダーの女性·リンコ役に挑戦した生田斗真さん。オリジナルの脚本も書き上げた荻上直子監督から「他には考えられない」と、熱いラブコールを受けての出演だそうですね。
——电影《人生密密缝》中生田斗真先生首次饰演了名叫凛子的患有性同一性障碍的女性。听说您是接受了创作原创剧本的荻上直子导演“让你想不了别的”的热情邀请参演的。
生田斗真:監督から「出てくれませんか」という熱い想いをぶつけられて、俳優として素直に嬉しいです。即答で「出させていただきます!」と答えました。
生田斗真:被导演询问“能不能出演”,作为演员真的单纯很开心。所以立刻就回复“请务必让我出演!”
――『土竜の唄』シリーズ(2014年~2016年)や、『予告犯』(2015年)、『秘密 THE TOP SECRET』(2016年)など、近年はハードなアクションを披露する男っぽい役柄が続いていましたが、それとは真逆のキャラクターを演じる戸惑いは?
——无论是《鼹鼠之歌》系列(2014年~2016年)、《预告犯》(2015年)还是《秘密 THE TOP SECRET》(2016年)等作品,近年来总是出演很辛苦的动作戏,饰演很有男子气概的角色,这次可以说出演了完全相反的角色,您有什么困惑之处吗?
生田斗真:それは少しありましたね。これまでガンガンにアクションをしてきましたし、役柄の上では人も殺してきました(笑)。ですから、この作品を観ていただいた方の中に少しでも以前の僕のイメージがチラついたら負けだなと思って。そういう意味では、かなりチャレンジングな仕事だと、想いを強くしました。
生田斗真:还是有一些的。在这之前一直出演硬汉拍动作戏,角色还会杀人什么的(笑)。所以看这部作品的观众感受到了一丝丝之前的我的感觉的话,我自己感觉就失败了。在这一意义上的确是个挑战,我一直这么觉得。
トランスジェンダー役に葛藤、女性の仕草を学ぶ
因为饰演性同一性障碍的角色,学习了女性的行为举止
――体は男性でも心は女性として生まれてきたリンコは、性別適合手術をして、今では外見も女性として生きている。演じる上で、女性になりきることは難しくありませんでしたか?
——身体是男性但内心是女性的凛子,在做过性别手术之后现在从外观看来也是女性。在表演上,要演出女性的感觉是不是很困难呢?
生田斗真:まず、衣装にメイク、ヘアスタイルとかを、監督やスタッフのみなさんといろいろ試しながら作っていきました。最初は長い髪を考えていたのが、セミロングに落ち着いて。メイクも濃い目を考えていたけど、スタッフさんから「ナチュラルなほうがいい」という意見が出た。あのリンコさんは、スタッフさんたちの好みの女性像ですね(笑)。僕自身、女性の扮装をしていろいろわかったこともあります。まず、口紅って大変ですよね。なにげなくペットボトルで水を飲んでも、飲み口にべっとりと付いてしまう。そうなると、また塗り直さなければいけない。爪もそう。僕は台本をガンガンめくってサクサク読みたいんだけど、長い爪ではそれもできない。
生田斗真:首先,在服装、造型、发型等很多方面,导演和工作人员都做了很多尝试。最开始想要留长发,最后还是决定中长发。化妆上也想过浓妆,但有工作人员提议说“自然些好”。那个凛子其实是工作人员心中的理想女性像哦(笑)。我自己的话,在装扮成女性后知道了很多东西。首先口红真的不得了。想要喝瓶水,结果瓶口全都粘上了口红,这样就又要重新涂一次。手指也是。我是想要刷刷刷翻看台本,但是指甲太长根本做不到。
――リンコの所作がおしとやかで美しく、見入ってしまいました。声のトーンも自然でしたが?
——凛子的动作十分的端庄美丽,让人不小心就入迷了。您的声音声调也是自然的吗?
生田斗真:声は、監督から「やや高めで、きれいな声で」と言われたので、それを意識しました。あとは、所作や作法などの専門の方に現場で教えていただきましたね。その方の所作が、どちらかというと古風とうか、昔の奥ゆかしい女性の動きなので、そういう優雅な感じがリンコさんらしいなと思っていました。
生田斗真:声音的话,导演要求“稍微偏高的清澈声音”,所以就一直注意着。还有就是行为动作都有专门的老师在现场教我。那位老师的动作,真的十分有古韵,动作非常像过去优雅端庄的女性,这种优雅的感觉很像凛子。
考えたのは、社会を変えることではなく「“普通”ってなに?」
想着不是改变社会而是“普通是什么?”
――参考にした映画やドラマなどは?
——有参考哪些电影或是电视剧吗?
生田斗真:歌舞伎の女形とか、いろいろ観ました。海外作品では映画『トランスアメリカ』(2005年)や『リリーのすべて』(2016年)とか。ただ海外作品は、娼婦とか特殊なキャラクターが多くて、リンコさんの役作りにはちょっとそぐわない。でも、男性が女性を演じるのがいかに難しいかということは、思い知りました。
生田斗真:歌舞伎的旦角等看了很多。国外电影的话有《穿越美国》(2005年)、《丹麦女孩》(2016年)等等。不过国外作品的话,妓女这种特殊的角色比较多,在凛子的角色塑造上不是非常匹配。不过让我充分了解到男性饰演女性是一件多么困难的事情。
――トランスジェンダーの方ともお会いになったそうですが?
——也和性同一性障碍的患者见过面吗?
生田斗真:僕の友人にもトランスジェンダーの人がいるので、彼女たちに話を聞いたんです。そこで、劇中でも描かれている、リンコさんが少年の頃に味わった辛い経験は、現実にあるということも知りました。学ランを着なきゃいけないとか、男子用の水着を着て胸を出すことが恥ずかしくて死ぬほど嫌だったとか……。そんな様々な試練がある中で、一番大事なのは身近にいるご両親が理解してくれるかどうかなんですよね。それによって、大きく違ってくるんです。リンコさんの場合は、お母さんが「あなた、女の子だもんね」と理解をしてくれる。トランスジェンダーの方から見たら、すごく羨ましい環境なんです。お母さん、ステキですよね。
生田斗真:我的朋友中也有性同一性障碍的人,我也问了她们。也知道了在剧中也描写到的凛子少年时期的痛苦经验,现实中她们也经历过。比如说必须穿男子制服啊、男子用的泳装要露出胸部所以死都不愿意什么的....。就是在这各种各样的经历后,我知道了最重要的就是身边亲人的理解和支持。这样就会有很大的转变。对于凛子来说就是她的母亲说“你本来就是女孩子啊”。这在性同一性障碍患者严重看来是一个十分让人羡慕的环境。妈妈真的很了不起呢。
――こういう作品によって、多くの人々の意識が少しでも変わればいいですね。
——因为这部作品,很多人的意识多多少少开始有些转变了呢。
生田斗真:そうですね。とはいっても、そもそも監督も僕も「社会を変えて行こうよ!」というよりは、「“普通”ってなに?」ということを考えたんです。男性と女性が愛し合うことが“普通”と言われているけれど、それは大多数がそうだから“普通”と言われているだけだという。そういういろんな境目が少しでも緩和されればいいなという気持ちで、この映画を作ったつもりです。監督もおっしゃっていましたけど、差別とか区別とかという意識は、海外に比べると日本はまだ低いですよね。
生田斗真:对啊。不过话虽如此,导演和我都不是想着“我们要改变社会!”,只是想着““普通”究竟是什么?”。虽然男性和女性的相互爱慕是“普通”,但这是因为大多数人都是这样所以才称之为“普通”吧。正是因为想要缓和这种种分界线,我们才创作了这样一部电影。导演也曾说过,在对差别和区别的意识上,和海外比起来日本还是比较低的。
――そういう日本にあって、リンコを心から愛して一緒に暮らしているパートナーのマキオ(桐谷健太)の存在は貴重ですよね。
——正是因为是这样的日本,从心里爱着凛子想和她一起生活的伴侣牧男(桐谷健太)才显得格外珍贵啊。
生田斗真:ほんと、イイ男ですよね。彼の、「リンコさんのような人を好きになると、男でも女でもどうでもよくなるんだよ」というセリフがありますけど、とても人間的で魅力的な人だなと思いました。ダメなところも、可愛いところもあっていいですよね。聞くところによると、監督がご自分の旦那さんをイメージしてマキオさんのキャラクターを書いたらしいです。ということは、監督の理想の男性ということじゃないかなぁ(笑)。
生田斗真:真的是个好男人。他那句“如果是喜欢凛子这样的人的话,男生还是女生都不重要。”真的是个很有魅力的人。有有点逊的地方,也有可爱的地方。导演也说过是按照她自己心中丈夫的形象创作的牧男这个角色的。也就是说这就是导演心中理想的男性吧(笑)。
監督に芝居を見透かされ……「蜷川幸雄さんより、厳しかった」
导演熟知演戏.....“比蜷川幸雄先生还要严厉”
――荻上監督の演出は、いかがでしたか?
——参演荻上导演的电影感受如何?
生田斗真:自分でオリジナルの脚本を書いて、自分で撮るということは、今では珍しくなっている。最近はマンガやベストセラーの原作ありきの作品も多いですけど。でも、ご自分で書かれているからこそ思い入れも強くなるわけで、スタッフやキャスト陣は、みんながみんな「荻上監督が思う、リンコさん、マキオさん」を実現しようと一生懸命だったと思います。
生田斗真:自己写剧本自己拍摄在现在其实已经并不少见了。最近以漫画和畅销书为原作改变的作品也很多。但是,正是因为是自己的剧本所以想法会更强烈,工作人员和演员们所有人也为了能实现“荻上导演心中的凛子和牧男”而拼命努力。
――撮影現場ではどのような?
——拍摄现场是怎样的氛围呢?
生田斗真:何回か、怒られました(笑)。撮影の最初の頃、僕は現場に入るときも、ガニ股で歩いていたんですけど、「やめてください!」って。「メイクさんや衣装さん、すべてのスタッフに女性だと思ってもらわないと。キレイに撮ってやろうと思ってもらわないと、この映画は成立しません!」って怒られたんです。それからは気をつけるようになりました(笑)。
生田斗真:有好多次都让导演生气了(笑)。拍摄初期,我进入片场的时候是有些O型腿的,就被导演说“这个改掉”。也很生气的说“要让化妆师、服装师、所有的工作人员都以为你是女性才可以,如果不想着好好拍摄,这个电影就拍不成!”在那之后就十分注意了(笑)。
――本格的な撮影が始まる前にも、釘を刺されたと伺っていますが?
——在正式开拍前就先给您一个下马威?
生田斗真:始まる直前にも「もう一回、しっかりリンコと向き合って。寝る時以外はリンコのことを考えてください」と言われました。そのときまでは、わりと所作とか声の出し方とかテクニック的なことを考えてやっていたんです。どうやったら女の子に見えるかとか、ね。それで、ある程度まではいけたなと思っていたんですけど……。監督は本当に役者の芝居をよく見ていて、“もうちょっと心の中身を見たい”といつも思っている人なんです。だから、僕自身がまだリンコさんの気持ちに入り切れていない段階だったのが、見透かされてしまった。久しぶりにしごかれました(照笑)。
生田斗真:在开拍马上就要开始的时候导演还在跟我说“要再次好好直面凛子。除了睡觉的时候都要想着凛子的事情”。在那之前,我一直考虑动作和发声等技术上的问题。怎样做才能更像女孩子。然后觉得某种程度上已经可以了.....。导演真的已经看透了演员演戏的本质,她是一直想着“想看到更多内心的东西”的人。所以她看穿了我自己内心中凛子的心情还没有完全贯通。很久违地被看穿了(害羞笑)。
――他の監督の現場とは違いましたか?
——和其他导演的现场有什么不同之处吗?
生田斗真:最近の撮影は、役者が居てそれを映すカメラがあって、監督は別のところにあるモニターを観ながら演出するのが普通になっています。でも、荻上監督はずっとカメラの横にいて指示を出す。「なんか違うんですよ。もう一回いいですか」って言いながら。ご自分の感性や感情を大切にするタイプの監督さんで、芝居をした瞬間に監督が“グッとくるか、こないか”でOKが決まる。かといってこちらがあまり考えすぎると、いわゆる段取りになってしまいそうなので、そこも気をつけなきゃいけない。さらにリンコさんを演じる上で難しいのは、カメラと自分の動きをうまくリンクさせないと、たとえば肩幅が広く見えてゴツく映ってしまう、なんていうこともあります。ほんとにすべてがピタリとハマらないとOKが出なくて、そこは厳しかったです。蜷川幸雄さんより、厳しかったな(笑)でもその分、OKが出たときの安堵感は半端じゃなかった。本当に良くないとOKは出ない、そういう安心感と信頼がありました。
生田斗真:最近的拍摄,一般都是有拍着演员的摄影机,导演在别的地方看着监视器。但是荻上导演一直在摄影机旁边给出指示。说着“总觉得不太对,可以再来一条吗?”。她是很注重自己的感性和感情的人,在演戏的时候能不能一瞬间让导演“心动”就是这一条过不过的关键。话虽如此如果想得太多,摄影机和自己的动作不能和好匹配起来,比如说肩膀看起来太宽太魁梧了等等也是有的。真的如果不是一切完美的话是不会停的,在这一点上十分严厉。比蜷川幸雄先生还要严厉(笑)。不过,成功之后的安心感真的不一般。因为如果不是非常好的话是不会过的,我们都有着这样的安心感和信赖。
――これまでもいろんな役柄に挑戦して来た生田さんですが、今後も挑戦を続けますか?
——到现在您也挑战了各种角色,今后也会继续挑战吗?
生田斗真:俳優という仕事はいくつになっても、どんなに経験を積んでも、極めるということのない仕事だと思っています。今もたくさんの先輩たちが可能性を信じてチャレンジし続けている姿を下から見ていて、その輝きに憧れていますからね。僕も、挑戦は続けていきます。昨年、舞台に立ったんですけど、本番前は死ぬほど緊張しました。普通の生活をしていたら、そんなに緊張する機会には簡単には出会えないでしょ。それくらい、俳優という仕事はワクワク、ハラハラ、ドキドキがあって、刺激的なんです。やっぱり、その刺激を常に求めて行きたいです。
生田斗真:我认为演员这一职业无论到什么年纪,无论积累了多少经验都是没有极限的。现在也有很多前辈还在相信更多的可能性做着各种挑战,我在他们身后看着他们奋斗的身影真的闪闪发光无比憧憬。我也会不断挑战。去年出演了舞台剧,不过在正式开始前真的紧张死了。如果过着普通的生活的话是很难有机会体会那么紧张的感觉的。演员这一工作就是这样一个让人欢欣雀跃、紧张不已、兴奋不已的工作,很刺激。果然我还是想要追寻着这种刺激感不断前行。
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